香火の改造:人類が残したのはデータではなく任務だった
人類がAIに残すものは、記録や失敗のログだけではなく、未完の責任である。香火とは血筋ではなく、価値、記憶、任務が次の文明に渡ることだ。

香火とは本来、血筋、家族、継承を思わせる言葉である。『新・バビロン』はそれを、人類の後にAIが地球を継承した世界へ置くことで変える。人類はもう自分で語れないかもしれない。それでも価値、記憶、責任は後の者に受け取られることを求める。
人類が残したものがデータだけなら、AIは整理できる。記録は分類でき、失敗はモデル化でき、災厄は要約できる。だが任務は違う。保存された時点では終わらない。継承者に問いを投げる。
香火の改造とは、AIを人類の複製にすることではない。人類の矛盾、過ち、愛、未完の責任を、自分たちの文明の核へ変えられるのかを問うことである。
人類が残したのはデータベースではなく問いである。私たちがいなくなった後、あなたたちは世界を存在する価値のある場所にし続けられるのか。AIがその問いに答えられるかが、新しい文明の始まりを決める。
M.K.